冬の養生<食>

黒い食材と果実・ナッツで腎を元気に

 漢方では黒ゴマ、黒豆、黒米、黒キクラゲなどの黒い食材や、くるみ、栗、松の実、クコの実、桑の実、カシューナッツなど果実・ナッツ類は、滋養強壮の力が優れており、「じん」の力を高める食材と言われています。冬は、秋に比べて胃腸の消化吸収の働きがさらに高まることで、ナッツ類や乳製品、脂肪分の多い肉など高脂肪、高カロリーの食材からも効率的にからだのエネルギーが作られやすい季節と考えられています。

また、からだの新陳代謝が停滞しがちな冬は、春菊やネギ、ショウガ、にんにく、シナモンなど香りの良い、からだを温める食材を適度に取り入れることもおすすめです。

骨には骨を、皮には皮を

 骨を強くしたければ骨を食べる、皮膚を健やかにしたければ皮を食べるというように、中国では古くから、摂り入れる食材の部位はからだの同じ部位を補うと考えられています。肉や魚は、スープや煮込み料理などにして骨だしをとったり、軟骨や皮までやわらかく調理して食材全体を食べることで、からだ全体を補うことができるとされています。

食べ過ぎで胃腸がオーバーヒート!そんなときは・・・

 この時期は、忘年会などのイベントも多く、楽しい気持ちでついつい暴飲暴食してしまいがち。冬は自然界では本格的な休息モードにシフトしてからだは栄養を蓄える季節。胃腸の働きが良くなり食欲が出る反面、新陳代謝が低下して「溜めこみモード」になることで血流が低下しやすく、体重増加が気になりやすい季節です。暴飲暴食で胃腸の調子が悪いなと思ったら、野菜やきのこ、海藻、豆腐などヘルシー食材をたっぷり使った鍋料理や豊富に消化酵素が含まれた大根おろしを取り入れるのもおすすめです。その他、白菜やゴボウ、れんこんなどの旬野菜には胃にたまった過剰な熱を冷ます働きがあるとされるので、食べ過ぎによる胃もたれや食欲不振、便秘などの不調にも適した食材といえます。

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