「陽」のエネルギー変化によって気候が変わるように、私たちのからだも、春になると冬の休息モードから活動モードに切り替わっていきます。自然界と同様に、からだの奥深くに蓄えられていたエネルギーが体表部(からだのより浅い部位)に向かって動き出すことで新陳代謝が促進され、からだ本来のバリア機能・抵抗力が高まり始めるとされています。同時に、からだに不調を起こす邪気にとっても春は「誕生」の季節。細菌やウィルスなどが増殖しやすく、慢性的な病気や不調も目立ちやすくなる季節とも言われています。
春先は朝晩、日によっても寒暖差が激しく、体調を崩しやすい頃でもあります。気温差や気候変化に負けないように、積極的に運動の機会を作ってからだ本来の抵抗力を高めるようにしましょう。体力に自信のない人はウォーキングや体操、ストレッチなどからだに負担のかかりにくい運動から少しずつ始めてみましょう。
漢方では、普段から「食欲がなく疲れやすい」という人について、「内臓の働きが弱くエネルギーの産生が不足している状態」と考えています。春はからだが活動モードへ転換し始めるために、全身各部位でエネルギーの需要が急激に高まる季節と言われています。からだのエネルギーは主に、胃腸の消化吸収機能を通して食物から産生されるため、胃腸虚弱の人はエネルギー不足状態に陥りやすいのです。「春になると頭がぼんやりする、眠気や倦怠感が強い」という不調は中国では「春困」と呼ばれ、胃腸虚弱によって脳やからだのエネルギー需要を満たすことができないことで起こると考えられています。
また、五臓六腑の「肝」は自然界の「木」に例えられ、枝葉が空に向かって成長するように「上昇」の方向性を持つとされています。生命力に溢れた木々は、大地の土を突き破り、根を張って成長することから、春は「土」の性質を持つ胃腸がダメージを受けやすい季節と考えられています。油っこいものや味の濃いもの、冷たいもののとり過ぎ、暴飲暴食など不規則な食生活は胃腸の負担を増やし、消化不良や下痢、便秘、嘔吐症状などを引き起こす原因となります。普段から胃腸が弱い人は、特に食生活には注意が必要です。
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